メールマガジン「Nutrition News」 Vol.171
健康・栄養に関する学術情報
スポーツでは種目の違いに応じた栄養が必要
スポーツは健康づくりや楽しみのために、あるいは自己実現の対象としてなど、現代のわれわれにとって重要な生活上の行為となっています。競技スポーツでは「勝つ」ということが目標とりますが、「勝つ」ためには運動スキルの向上とともに、それを支える体力を作るための栄養が必要となります。また、スポーツにより起こるケガや障害を防止するためにも適切な栄養が必要となります。これらを対象とした科学がスポーツ栄養学です。今回はこの分野の専門家が、アスリートに対するスポーツ栄養の活用をエネルギー代謝とサプリメントを中心に解説した論文を紹介します。筆者の鈴木志保子先生は第20回ダノン健康栄養フォーラム「健康と運動能力アップにつなげるスポーツ栄養」(98日、よみうりホールにて開催)において対談「障害者のスポーツ栄養」にご登壇予定です。


(内容)
体内でエネルギーとして直接利用される物質は、アデノシン3 リン酸(ATP)やクレアチンリン酸(CP)である。運動時におけるこれらの物質の供給機構(エネルギー供給機構)は,無酸素系機構(非乳酸性機構と乳酸性機構)と有酸素系機構に分類できる。競技種目をエネルギー供給機構から分類すると,非乳酸性のハイパワー(筋力,瞬発力)系,非乳酸性+乳酸性あるいは乳酸性+有酸素性のミドルパワー(筋持久力) 系,有酸素性のローパワー(持久力)系の3 種類になる。この観点から、種目別に食事の摂り方に注意すべき点は異なってくる。また、バランスよく食べる必要があるが、それはいつでも新陳代謝ができるように,必要な物質を整えておかなくてはならないからである。種目によっては通常の食事だけでは摂取しきれない栄養素が出てくるが、サプリメントの利用を判断する条件と例を示した。その際には、ドーピングに該当しないように慎重に判断する必要がある。


参考

詳細は下記論文をご参照下さい。

鈴木 志保子 「スポーツ栄養学」(ヘッドライン:オリンピックを面白く躍進させた素材と化学)
化学と教育 63 (11), 540-543,2015

本論文はオンライン公開されており無料で閲覧出来ます。https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakyoshi/63/11/63_KJ00010176390/_pdf/-char/ja

 

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