メールマガジン「Nutrition News」 Vol.159
健康・栄養に関する学術情報
 どんな食品の摂取頻度と抑うつ傾向とが関連している?
 抑うつとは「心がふさいで不快なこと。おさえられて心がはればれしないこと。」(大辞林)であり、精神健康面で望ましくない状態です。特に大学生の時期は環境が大きく変化し、自己への注目が高まる時期でもあるので、抑うつが起こりやすいと言われています。一方、食事のあり方は他の生活習慣(運動、睡眠など)とともに抑うつの頻度に影響することが知られています。これまで大くくりの食品群の摂取頻度と抑うつ傾向との関連についての報告はありましたが、個別の食品との関連についての報告は多くありませんでした。 今回は、大学生を対象に抑うつ傾向と食品の摂取頻度との関連性を調べた論文を紹介します。

(内容)
 大学生192名を対象に質問紙法による調査を行い,138名を分析対象とした。抑うつ傾向の程度はCenter for Epidemiologic Studies Depression(CES-D)Scale により把握した。また,162品目の食品の摂取について,過去1 週間の摂取頻度調査を行った。CES-D 低得点群(抑うつ状態低度), CES-D 高得点群(抑うつ状態高度)の2 群間の各食品の摂取頻度ならびに食品群ごとの平均摂取頻度得点を比較した。 調査を行った品目のうち,男性においてはこんにゃく,女性においては食パンおよびヨーグルトの摂取頻度が,CES-D 高得点群で有意に低かった。また,男性における果実類,女性における魚類の平均摂取頻度得点は,CES-D 高得点群が有意に低かった。 CES-D 高得点群は低得点群に比べていくつかの食品摂取頻度並びに食品群ごとの平均摂取頻度得点が低いことが示唆されたが,本研究には限界点があるため,今後さらなる検討が必要である。

参考

詳細は下記論文をご参照下さい。

阿部 由紀子 「大学生における抑うつ傾向と食品摂取頻度との関連性」
 栄養学雑誌 Vol.74 No.2 29-372016

本論文はJ-STAGEにてオンライン公開されており無料で閲覧出来ます。
 https://www.jstage.jst.go.jp/article/eiyogakuzashi/74/2/74_29/_pdf

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