2025/06/02

vol.259 (2) 2022年度ダノン学術研究助成金受贈者による研究報告「日本人成人における食事の質の経年的変化と食事摂取量、肥満度指数および身体活動量の変化との関連」

メールマガジン「Nutrition News」  Vol.259 2025年6月2日発行

「日本人成人における食事の質の経年的変化と食事摂取量、肥満度指数および身体活動量の変化との関連」

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
渡邉 大輝

【目的】本研究は反復測定による縦断解析を用いて、食事の質の経時的変化に対して食事摂取量、BMI(Body Mass Index)および身体活動量の並行変化が関連するか検討することを目的とした。

【方法】本研究は2007 年から 2018 年までにNEXIS研究に参加し、少なくとも2回の食事調査データが使用可能な26-85歳の697名(計4,118回測定)を含めた。食事摂取量は以前に妥当性が検証された簡易型自記式食事歴法質問票を使用して評価した。食事の質はNutrient-rich food index 9.3 (NRF9.3)を使用して評価した。身体活動量は3軸加速度計を使用して各強度の活動量時間を評価した。BMIは実測した体重を身長の2乗で割って算出した。統計解析は潜在クラス成長モデルと多変量ランダム効果パネルデータ回帰分析を使用した。

【結果】平均6.8年間の追跡期間中に、NRF9.3スコアは平均して一人当たり5.9回評価した。NRF9.3スコアの年齢に伴う軌跡群は3つ(“低増加群”、“中増加群”および“高安定群”)抽出された。 多変量解析において、NRF9.3スコアの軌跡はエネルギー、 たんぱく質、食物繊維、ビタミンA・C、マグネシウムおよび果物や野菜などの食品摂取と正の関係を示し、 BMI、砂糖、 飽和脂肪酸、ナトリウムおよび肉および菓子類などの食品摂取と負の関連を示した。

【結論】本研究は、幅広い年齢層にわたる食事の質の経時的変化に関連する修正可能な要因を特定した。

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