メールマガジン「Nutrition News」 Vol.193
健康・栄養に関する学術情報
健康寿命と要介護者数の将来推計

 第22回完全生命表(2017年3月)における0歳の平均余命は、男性80.75年、女性86.99年である。また、2040年における全人口に占める75歳以上の人の割合は20.2%、2065年には25.5%に達するなど、さらなる高齢化社会への移行が推定されており、健康寿命の延伸の重要性が指摘されている。

 一方、これまでに要介護者数の推計や要介護状態への遷移についての予測が十分にできているとはいいがたい。筆者らは国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の将来人口推計と人口推計のために開発されたRの統計パッケージStMoMoPLATモデル)を要介護者割合の推定に応用し、健康寿命ならびに要介護者数の将来推定を実施した結果を報告している。

 健康寿命の延伸を目指し、様々な施策が講じられているものの、健康寿命は平均寿命ほど延伸せず、逆に不健康な期間(平均寿命―健康寿命)が拡大する結果となっている(2015年から2065年)。さらにある時点から、健康寿命自体の短縮が予測されている。これらの結果から、要介護者数の推移を予測すると、男性では2065年には2015年の3倍、女性では2倍の要介護者が見込まれることになり、これから訪れる超高齢化社会とは、健常者よりも要介護者のほうが多い社会を意味することになりそうだとしている。

 


参考


詳細は下記総説をご参照下さい。

生活経済学研究 第49巻 91-111(2019)

本論文はオンライン公開されており無料で閲覧できます 
https://www.jstage.jst.go.jp/article/seikatsukeizaigaku/49/0/49_91/_pdf/-char/ja

 

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