メールマガジン「Nutrition News」 Vol.183
「肥満対策は幼児期から!」
 日本小児科学会など4団体から構成される日本小児医療保健協議会が「幼児肥満ガイド」を作成し、ホームページで公表しました。子どもの肥満に関するガイドラインである「小児肥満症診療ガイドライン2017」では取り扱われていない5歳未満の幼児を対象に、幼児肥満の判定、病態、問題点、対策などがまとめられています。

なぜ幼児期からの肥満対策が重要か?

 新生児期から幼児期の体脂肪率の推移を見てみると、男女とも1歳頃までには皮下脂肪組織に脂肪が蓄積し、体脂肪率は20%前後まで上がります。その後、2~3歳で減少傾向に転じ、6歳頃に底値となり、女児では7歳頃から再び上がり始めます。本来、スリムな体型となるべき幼児期に見られる肥満の背景には、遺伝的または環境的な肥満の要因があると考えられます。つまり、幼児期は肥満を予防するための介入時期として重要であるということです。

 WHOの指針では、幼児期は非感染性疾患(non communicable disease : NCD)のリスク要因である高血圧や2型糖尿病、肥満等の予防効果が期待できる重要な介入時期とされています。また、最近のコホート研究では、30歳台の内臓脂肪型肥満には幼児期の急激な体重増加が関与していることが報告されており、これらも幼児期からの肥満対策の重要性を示しています。

幼児肥満の判定と食事指導

 肥満の判定法の1つにbody mass index(BMI)がありますが、乳幼児期のBMIは、生後6か月までに急増してピークとなった後徐々に低下し、5歳頃に最も低くなり、再度上昇に転じます。このように、年齢によってBMIが大きく異なる幼児期の体格評価にBMIの絶対値を用いることは困難であり、わが国では実測体重と標準体重を比較した「肥満度」を用いて小児の肥満の判定を行っています。児童生徒では+20%以上で肥満と判定されますが、幼児の場合は肥満度+15%以上が肥満とされます。肥満度の区分ごとに体格の呼称も決められており、+30%以上で「ふとりすぎ」、+20%以上+30%未満で「ややふとりすぎ」、+15%以上+20%未満で「ふとりぎみ」となっています。

肥満度区分と体格の呼称

「幼児肥満ガイド」より

詳細は下記をご参照下さい。
「幼児肥満ガイド」について(公益社団法人日本小児科学会) 

http://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=110

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