2024年3月1日発行

メールマガジン「Nutrition News」 Vol.244
「厚生労働省が「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を公表」

 令和6年1月、厚生労働省は、「健康づくりのための身体活動基準2013」の改訂版にあたる「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を公表しました。
「身体活動基準2013」が策定されてから10年が経過し、身体活動・運動についてのエビデンスが蓄積されてきている一方で、国民における「日常生活における歩数」や「運動習慣者の割合」は横ばいから減少傾向を示しています。その要因として、機械化・自動化が進んだことや、生活環境の変化によって歩行の機会が減ったこと、運動への啓発や環境整備が不十分であったことなどが指摘されています。これらの背景を踏まえ、今回の改訂に至りました。

改訂の主なポイント

  • 「基準」ではなく、個人差を踏まえた「ガイド」に

従来の「身体活動基準」という名称では、「基準」という表現が“すべての国民が等しく取り組むべきこと”という誤解につながりやすいことから、「ガイド」という表現に変更されました。

 

  • ライフステージごとの推奨事項

「健康日本21(第三次)」において、ライフステージ(※1)やライフコースアプローチ(※2)を踏まえた健康づくりに重点が置かれていることを踏まえ、今回のガイドでは、身体活動・運動の推奨事項や参考情報が高齢者・成人・こどもに分けて示されています。

※1 ライフステージ:乳幼児期、青壮年期、高齢期等、人の生涯における各段階

※2 胎児期から高齢期までの人の生涯を経時的に捉えた健康づくり

 

  • 「座位行動」の概念を導入

活動量を増やすためには、“座りっぱなし”を避け、今よりも少しでも多く体を動かすことが基本となることから、今回のガイドでは、新たに“座位行動”という概念が取り入れられました。立位が困難な方においても、じっとしている時間が長くなりすぎないように少しでも体を動かすことが推奨されています。


身体活動(生活活動・運動・座位行動)の概念

健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(厚生労働省)より

  • 個人差を踏まえた取り組みを推奨

ガイドに示されている推奨事項は、エビデンスに基づいて設定されたものですが、実際に取り組むにあたっては、健康状態や体力などの個人差を踏まえて強度や量を調整し、可能なものから取り組むこととされています。



「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」身体活動・運動の推奨事項一覧

健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(厚生労働省)より


 このガイドは、健康づくりに関わる専門家(健康運動指導士、保健師、管理栄養士、医師等)、政策立案者(健康増進部門、まちづくり部門等)、職場管理者、その他健康・医療・介護分野で身体活動を支援する関係者を対象として策定されたものであり、一般国民を対象とした「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」の改訂については、検討中とされています(令和6年3月1日現在)。
 なお、ガイドは令和5年時点のエビデンスに基づいて策定されています。妊産婦や障害のある方については策定時点でエビデンスが不十分であったため推奨事項が示されませんでした。また、座位行動を中断することの健康影響や筋力トレーニングにおける推奨事項についても、今後の知見の蓄積が必要とされています。健康づくりに関わる関係者には、このような限界点も踏まえた上で、国民の健康増進のためにこのガイドを活用することが求められています。


詳しくはこちらをご覧ください
身体活動・運動の推進(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index.html

 

 

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