2024年1月4日発行

メールマガジン「Nutrition News」 Vol.242
「飲酒量は“何杯”ではなく“何g”で把握。厚生労働省が飲酒に関するガイドライン案を示す」

 令和5年11月、厚生労働省は、健康に配慮した飲酒に関するガイドライン(案)をまとめました。お酒は私たちの生活に深く浸透している一方で、飲み方によっては健康を害することにもつながります。このガイドラインは、適切な飲酒の判断に役立つことを目的に、純アルコール量を指標とした飲酒による健康リスクなどが具体的に示されています。

飲酒による健康リスク

  

 摂取したアルコールの大半は、小腸で吸収され、血液を通じて全身をめぐった後、肝臓でアセトアルデヒドに分解され、最終的に炭酸ガスと水になります。過剰な飲酒は、アルコールを分解する役割を担う肝臓だけでなく全身の臓器に影響を与え、さまざまな病気を引き起こす要因となります。
 飲酒量と健康リスクについて、高血圧や男性の食道がん、女性の出血性脳卒中の場合は飲酒自体が発症リスクを高めることや、大腸がんの場合は純アルコール量相当で1日あたり20g程度以上の飲酒を続けると発症リスクが高まることなどが報告されています。また、令和6年度から開始予定の健康日本 21(第三次)では、生活習慣病のリスクを高める飲酒量(純アルコール量)を、1日当たり男性40g以上、女性20g以上としています。

 このようなリスクを踏まえ、ガイドラインでは自分に合った飲酒量について、単にお酒の量(何ml飲んだか)だけではなく、お酒に含まれる純アルコール量によって判断することを推奨しています。純アルコール量は、次のように計算することができます。

純アルコール量(g)=摂取量(ml)×アルコール濃度(度数÷100)×アルコール比重(0.8)
 つまり、アルコール度数が5%のビールを500ml飲んだ場合の純アルコール量は、500×0.05×0.8=20gとなります。また、商品によっては、パッケージに1本あたりの純アルコール量を表示しているものもあります。

人によって異なる“適量”

 

  “自分に合った飲酒量”の判断においては、年齢や性別、体質などを考慮する必要があります。

  • 年齢による影響

高齢者では若い時に比べて体内の水分量が減少することなどから、同じ量のアルコールでも酔いやすく、また、一定量を超えた飲酒は認知症の発症リスクが固まります。また、若年者についても、脳機能の低下や高血圧等のリスクが高まる可能性が指摘されています。

  • 性別による影響

一般的に女性では男性とくらべて体内の水分量や分解できるアルコール量が少ないことや、エストロゲンの作用などによって、アルコールの影響を受けやすいといわれています。そのため、女性では男性にくらべて少量かつ短期間の飲酒でアルコール性肝硬変になる場合があることが報告されています。

  • 体質による影響

体内のアルコール分解酵素のはたらきの強弱には個人差があり、はたらきが弱い場合にはフラッシング反応(顔が赤くなる、動悸や吐き気がするなど)を起こしやすくなります。なお、日本人の4割程度はアルコール分解酵素のはたらきが弱い体質だといわれています。


 飲酒による影響を考慮する場合には、飲酒量(純アルコール量)をより少なくすることが望ましいでしょう。

 この他にも、ガイドラインでは健康に配慮した飲酒のしかたとして、次のような心掛けが重要としています。

  • ① 自らの飲酒状況等を把握する
  • ② あらかじめ量を決めて飲酒をする
  • ③ 飲酒前又は飲酒中に食事をとる
  • ④ 飲酒の合間に水(又は炭酸水)を飲むなど、アルコールをゆっくり分解・吸収できるようにする
  • ⑤ 一週間のうち、飲酒をしない日を設ける

 

 飲酒による健康障害を含む不適切な飲酒が社会課題となる中、最近では酒類メーカーにおいてもノンアルコール商品の拡充や、飲み方の多様性を尊重する取組などが進められています。個人の意識と社会環境の両面から、健康的なお酒の楽しみ方が広がることが望まれているといえるでしょう。

 

 

詳しくはこちらをご覧ください

健康に配慮した飲酒に関するガイドライン(案)(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/content/12205250/001169984.pdf

 

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