メールマガジン「Nutrition News」 Vol.232
「「スマートミール」でおいしく賢く健康に」

 近年、IoT技術の発展とともに、電話や腕時計、家電、オフィスや車など、様々な分野で“スマート”を冠する言葉を耳にするようになりました。IT用語としては「コンピュータ化された」という意味で使われていますが、もともと「スマート(smart)」とは「賢い」などの意味を持つ言葉です。

 私たちが健康を維持するためにも、“賢く食べる”ということはとても重要です。特に、日本人の食料消費の約8割は加工品と外食であり、外食や中食において健康的な食事を選択しやすい環境を整えることが求められています。そこで、今回は、日本栄養改善学会と日本給食経営管理学会をはじめとする学協会からなる「健康な食事・食環境」コンソーシアムが行う、「スマートミール」の認証制度についてご紹介します。         

エビデンスに基づいた「ちゃんと」と「しっかり」の基準

 「スマートミール」とは、野菜たっぷりで塩分量も適切な、主食・主菜・副菜のそろったバランスのよい(=健康づくりに役立つ)食事の通称です。

 スマートミールには、厚生労働省の「生活習慣病予防その他の健康増進を目的として提供する食事の目安」を基本に、食事摂取基準や健康な食事に関する研究結果に基づいた2種類の基準が定められています。1つは、“栄養バランスを考えて「ちゃんと」食べたい一般女性”を対象にした基準、もう1つは“栄養バランスを考えて「しっかり」食べたい男性や女性”を対象とした基準です(表1)。これらの基準に加え、PFCバランスが「たんぱく質1320%E、脂質2030%E、炭水化物5065%E」の範囲に入ることなどの要件を満たす必要があります。

 

表1 スマートミール1食あたりの基準


「健康な食事・食環境」認証制度ホームページをもとに作成

 

 スマートミールを継続的に、健康的な空間(栄養情報の提供や受動喫煙防止等に取り組んでいる環境)で提供している事業者として「健康な食事・食環境」コンソーシアムから認証を受けると、「健康な食事・食環境」のシンボルマークを用いて、スマートミールの提供店舗であることをアピールすることができます。

 認証事業者数は、20228月現在で547件(うち外食107件、中食76件、給食364件)となっており、「健康な食事・食環境」認証制度のホームページでは、全国の認定店舗(外食・中食)の一覧が、メニューの写真とともに掲載されています。

 また、ホームページにはスマートミールを用いた研究論文も紹介されています。たとえば、Sakaguchiらは、職場の昼食にスマートミールを提供したところ1年後に対照の事業所に比べて従業員の食塩摂取量と尿Na/K比が有意に低下したことを報告しています。

 

「健康な食事・食環境」認証制度ホームページより

 

 スマートミールは、栄養素をバランスよく摂取できるだけでなく、「何をどのくらい食べればバランスのよい食事になるのか」を知るためのツールとしても大きな役割を果たしていると言えるでしょう。今後、スマートミールについてより一層周知され、認証された店舗やそれを選ぶ人が増加することが期待されています。

 

詳細は下記をご参照下さい。

 

「健康な食事・食環境」認証制度

https://smartmeal.jp/

 

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