講演1


公益社団法人日本栄養士会 栄養ケア・ステーション 常務理事 
下浦 佳之


「これからの管理栄養士への期待 ~日本人の食事摂取基準(2020版)を踏まえて~」
厚生労働省 健康局健康課 栄養指導室 室長 
清野 富久江
 

 
 少子高齢化がいっそう進展するなかで、健康寿命の延伸に向け、予防可能な疾病を予防し、身体機
能や生活機能を維持させるためには、栄養・食生活が重要である。栄養・食生活はすべての国民の営
みに不可欠であり、栄養・食生活の視点から一人一人の生活やくらしに寄り添い支えるのが栄養の専
門職である管理栄養士の役割である。
 いわゆる団塊の世代が75 歳以上になる2025 年を目前とした平成30 年(2018 年)度の診療報酬・
介護報酬改定では、地域包括ケアシステムを構築するため、日常生活の視点を踏まえ、患者に寄り添
ったきめ細かな栄養管理に関する見直しや施設間の栄養連携に関する評価が行われた。
 さらに、2040 年を展望し、誰もがより長く元気に活躍できる社会の実現に向けて、健康寿命を延
伸するためには健康無関心層も含めた予防・健康づくりの推進等が重要であり、「自然に健康になれ
る環境づくり」や「行動変容を促す仕掛け」など「新たな手法」も活用し、次世代を含めたすべての
人の健やかな生活習慣形成等、疾病予防・重症化予防、介護予防・フレイル対策、認知症予防を中心
に取組を推進していくことが議論されている。
 このような状況の中、地域包括ケアシステムの構築・推進に向けて、栄養の専門職である管理栄養
士には、個々人の生活の視点を踏まえたきめ細かな対応が今後より一層重要になると考えられる。ま
た、医療・介護をはじめとした様々な領域において栄養管理の質の向上が求められる一方で、働き手
の減少が見込まれており、効果的・効率的なアプローチとして多職種連携がますます進むと推測され
る。こうした中、複雑困難な個別案件や地域の栄養課題に対し、栄養の専門職としてエビデンスやデ
ータを基に、論理的思考により、最適解としての栄養管理をいかに打ち出していけるか、それを多職
種連携の中で論理的に提案できるかといったことが一層問われてくるものと考えられる。

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