パネルディスカッション

座長
日本栄養士会 専務理事
下浦 佳之


「ICTを活用した遠隔栄養指導「コロナ禍における栄養指導ー遠隔栄養指導への取り組み」



(株)リンクアンドコミュニケーション 最高公衆衛生責任者
佐々木 由樹


1.コロナ禍の生活の変化
まず、コロナ禍で、日本人の生活がどう変化したか、データをもとにお話し致します。
・歩数の減少
・ライフワーク別のうつ傾向の違い
・主食の変化
・野菜、果物の摂取量の変化
これらのデータから、コロナ禍で特に注意したい栄養指導・保健指導のテーマをお伝えします。

2.非対面の栄養指導
コロナ禍においては、対面での栄養指導を実施することが難しくなってきました。そこで、非対面
の栄養指導の事例を2 つご紹介します。

1)AI による栄養指導
当社(株式会社リンクアンドコミュニケーション)は、AI 健康アプリ「カロママ」シリーズ
を開発・運用 しています。ユーザーが食事、運動、睡眠、気分、体重等のカラダ情報を入力す
ると、AI キャラクターが 瞬時にアドバイスをしてくるアプリです。このアプリを利用し、セル
フケアを行うことで、2~3 か月で約2kg の体重減少が期待できます。AI による栄養指導で、開
発時に留意した点などを中心にお話します。

2)リアル管理栄養士による遠隔の栄養指導
当社の保健指導では、1)のAI 健康アプリと、オンラインカウンセリングの面談機能を組み合
わせて、リアルの専門職とAI のハイブリット型のサポートを行っています。専門職は、ユーザ
ーのセルフケアのデータを見ながら面談ができるため、聞き取りの時間が短く、よりユーザーに
適したアドバイスを行えます。このような形式の保健指導の実態をお話しします。
また、当社では特定保健指導を受けたことのある400 名へのアンケートを実施しましたので、
当フォーラムで その結果をお伝えしたいと思います。


那覇市立病院 医療技術部 管理栄養士
玉城 嘉乃

情報通信機器を使用した栄養食事指導方法と経過報告

【目的】
生活習慣病において栄養食事指導の役割は大きいとされている。しかし、継続的なフォロ
ーアップが出来なければ結果につなげる事は困難である。当院でも同様の課題があった。
2020 年度の診療報酬改定で情報通信機器を用いた外来栄養食事指導料が新設された。それ
に伴って、当院では電話を使用した栄養食事指導を開始した。またその後、タブレット端
末を活用したCOVID-19 患者に対する入院栄養食事指導を行っている。その方法と経過に
ついて報告する。

【方法】
① 糖尿病透析予防外来の患者を対象に電話を使った栄養食事指導を2020 年6 月から開始
した。受診日に看護師が対象者をスクリーニングし、管理栄養士が対面栄養食事指導を行
う。次回受診日までの間に電話での栄養食事指導を組み込み、対面と電話での栄養食事指
導を交互に行った。約3 ヶ月後の栄養食事指導時に評価を行い、指導継続か終了するかを
相談することとした。
② 感染病棟の栄養食事指導に関しては、2020 年10 月から開始している。看護師が患者の
状態を考慮しながら日程調整を行った上でタブレット端末を活用する方法で実施した。

【結果】
① 2021 年6 月までの介入件数は22 件だった。患者の来院負担を軽減し、食習慣改善への
モチベーション維持、意識向上の変化等あり行動変容がみられた患者が増えた。また、食
事の準備をされる家族とも話す事ができ、家族の協力が不可欠な患者へのアプローチも可
能であった。デメリットとして、電話の聞き取りではフードモデルや写真等の媒体が使え
ない為、食事の具体的な量の確認が難しかった。
② 感染病棟の介入件数は、2021 年6 月までで22 件だった。COVID-19 患者の中でも、糖
尿病や肥満がある患者からの食事を見直したいという希望が多く、それに応える事が少し
ずつ出来ている。

【課題と今後の展望】
① 栄養食事指導の目的は、疾患の合併症ならびに重症化の予防である。来院を待つ指導は、
様々な背景により指導間隔が空く事で行動変容やその継続が妨げられ、目的が達成しにくい。
今後は対象者に合わせて情報通信機器の選定(電話、インターネット)も考慮しながら計画的
な指導を実施していきたい。
② 現在は、ベットサイドにタブレット端末を設置する作業を看護師が担っており、その都
度患者に接する機会が増加する。今後の課題として管理栄養士も感染対策訓練を強化し、
積極的に支援に携われる方法を検討していく。

  

  

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