開会挨拶

公益財団法人ダノン健康栄養財団 理事長
東京大学 名誉教授
清水 誠

 

 
 新型コロナウイルス変異株による新たな感染拡大、賛否両論で揺れた無観客オリンピック・パラリ
ンピックの開催、急激な気候変動と大規模な自然災害の多発など、例年とは全く異なる2021 年です
が、今年もダノン健康栄養フォーラムを開催する時期になりました。昨年の第22 回フォーラムは、
新型コロナウイルス感染症のためにオンライン方式のみで開催させていただきました。参加者同士の
交流、休憩時のヨーグルト賞味などのないフォーラムでしたが、会場で開催した従来のフォーラムの
約二倍の方が視聴してくださり、オンライン方式のほうが講演が聞きやすく、理解度も高まるといっ
た肯定的な感想も多数いただきました。新型コロナ変異株の感染が続く状況に鑑み、今年もオンライ
ンでの開催といたしますが、ご家庭や職場で、お茶を飲んだり、身体を動かしながら、講演をお聴き
いただければと思います。
 さて、今年のフォーラムはいつもとちょっと違う内容だと感じられるかもしれません。
今や栄養士の方々も「健康な生活をサポートするために適切な栄養バランスの食事を提供する」と
いう従来続けてこられた仕事から、新たな一歩を踏み出すことが求められています。新型コロナ感染
や地球規模の気候変動は、食料生産や流通にも大きな影響を与えています。食事の提供に際しては、
地球環境や社会システムについても考慮しなければならない時代が来ているというべきでしょう。そ
こで今回のフォーラムでは、環境問題と食の関係を考える上の指針である「第4 次食育基本計画」に
関する基調講演とともに、最近注目されるようになった新しい健康問題やその解決のための新技術・
方策に関する2 つの講演と1 つのパネルディスカッションを準備しました。
 基調講演では、農林水産省消費安全局の清水正雄課長に「持続可能な食を支える食育の推進」「新
しい生活様式のもとでの食育」の考え方や方策についてご紹介をいただきます。次いで、国立長寿医
療研究センター理事長の荒井秀典先生に「コロナ禍で増加しているフレイルの現状とその予防対策」
について、また帝京大学大学院公衆衛生学研究科の福田吉治教授には「ナッジ理論と行動変容」と題
して、人々の行動変容を促す新しい取り組みの紹介をしていただきます。最後のパネルディスカッシ
ョンでは、(株)リンクアンドコミュニケーションの佐々木由樹氏と那覇市立病院の玉城嘉乃氏に「ICT
を介した遠隔栄養指導」と題して、対面での指導が難しくなったコロナ禍での新しい指導法を、多く
の実例をもとに解説していただく予定です。
 本フォーラムは、「健康と栄養」に関する研究支援や情報提供等を目的に国際的食品企業ダノング
ループが設立した「公益財団法人ダノン健康栄養財団」と、「公益社団法人日本栄養士会」の共催に
より行われています。「栄養の世界での新技術と新対策」についての情報が満載された今回のフォー
ラムが、皆様の今後の活動においてお役に立てば幸いです。

 

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