メールマガジン「Nutrition News」 Vol.200
「大人になってからの資質・能力に子供の頃の生活習慣が影響する!?」

 令和2年7月、「早寝早起き朝ごはん」全国協議会は、子供の頃の「早寝早起き朝ごはん」をはじめとする生活習慣や様々な体験と、大人になった現在の資質・能力との関係について調査した結果の中間報告書を公表しました。

子供の頃の生活習慣と大人になってからの資質や能力の間には、どのような関係が見られたのでしょうか。

 

調査は全国の1865歳(学生・社会人)の男女5,000人を対象に、①子供(小学校34学年)の頃の体験や生活習慣、②大人になった現在の資質・能力や生活状況についてのウェブアンケートによって行われました(図1)。


                         図1 調査内容

子供の頃の体験や生活習慣

  • ・小学生の頃の体験(自然体験、動植物とのかかわり、友達との遊び、地域活動、家族行事、家事手伝い、放課後・休日の体験)
  • ・基本的生活習慣(睡眠習慣、食習慣、朝の活動など)
  • ・体験等の質(遊びの熟中度、付き合いっぷり、食べっぷり)
  • ・家庭での状況(親のしつけ、親とのかかわり、家族との愛情・絆・家庭の経済状況)


大人になった現在の資質・能力や生活状況

  • ・体験を通して得られる資質・能力(自尊感情、共生感、意欲・関心、規範意識、人間関係能力、職業意識、文化的作法・教養、へこたれない力)
  • ・生活習慣(睡眠習慣、食習慣、運動習慣)
  • ・仕事や家庭などでの状況(身体的・精神的健康、仕事、家庭、朝の活動、ボランティア活動)
  • ・子供へのしつけ

結果① 子供の頃、早寝早起き朝ごはんをよくしていた人ほど、大人になった現在の資質・能力が高く、普段の生活が充実していると感じている人の割合が高い

 子供の頃に早寝早起き朝ごはんをよくしていた人ほど、大人になった現在、自尊感情(自分のことが好きである)、規範意識(電車やバスに乗ったとき、お年寄りや身体の不自由な人には席をゆずろうと思う)などが高い人が多い傾向が見られました(図2)。また、子供の頃に早寝早起き朝ごはんをよくしていた人ほど、大人になった現在も規則正しい生活をしている人の割合が高く、仕事にやりがいを感じていたり、家事をしていると答えた人が多い傾向が見られました。

                  図2 子供の頃の早寝早起き朝ごはん習慣と現在の自尊感情の関係

 

                           「早寝早起き朝ごはん」の効果に関する調査研究〔中間まとめ〕を元に作成

 

結果② 子供の頃、早寝早起き朝ごはんをよくしていた人ほど、家庭の経済状況に関わらず、大人になった現在の資質・能力が高い人が多い傾向

 子供の頃に早寝早起き朝ごはんをよくしていた人ほど、家庭の経済状況に関わらず、大人になった現在の自尊感情、規範意識、文化的作法・教養が高い人が多い傾向が見られました。また、子供の頃の家庭の経済状況別に現在の資質、能力を見たところ、家庭の経済状況にゆとりがあった方が大人になった現在の資質・能力が高い傾向が見られるものの、経済状況にゆとりがなかった家庭においても、親からのしつけを受け「早寝早起き朝ごはん」をよくしていた人は現在の資質・能力が高くなる傾向が見られました(図3)。
      

図3 家庭の経済状況別にみた子供の頃の親からのしつけの多寡と早寝早起き朝ごはん習慣と現在の資質・能力8項目の関係
 
                              「早寝早起き朝ごはん」の効果に関する調査研究〔中間まとめ〕を元に作成

 

結果③ 子供の頃、朝早く起きて活動(朝活)をしていた人ほど、大人になった現在の資質・能力が高く、普段の生活が充実していると感じている人の割合が高い

 子供の頃に朝活として運動・スポーツや家事の手伝いをしていた人ほど、人間関係能力(「初めて会った人とでもすぐに話ができる」など)、へこたれない力(「何事にも前向きに取り組むことができる」など)、規範意識、文化的作法・教養が高い人が多い傾向が見られました。なお、子供の頃の朝活と現在の資質・能力の相関分析を行ったところ、子供の頃に朝活として運動・スポーツや家事の手伝いをしていた人は、いずれの資質・能力との間にやや相関が見られましたが、テレビゲームについてはいずれの資質・能力とも相関が見られませんでした(表1)。

                表1 子供の頃の朝活と現在の資質・能力の関係(相関係数=0.20 以上を記載)
                           「早寝早起き朝ごはん」の効果に関する調査研究〔中間まとめ〕を元に作成

 

 「早寝早起き朝ごはん」をはじめとした規則正しい生活習慣の重要性については、十分な睡眠や朝の光によるホルモン分泌、朝食によるエネルギーや栄養素摂取等の側面から説明することができます。今回の調査結果は、それらに加え「大人になってからの資質・能力」などの観点で、子供の頃に望ましい生活習慣を確立することの重要性を示唆していると言えるでしょう。

 

参考

詳細は下記をご参照下さい。
「早寝早起き朝ごはん」の効果に関する調査研究〔中間まとめ〕(「早寝早起き朝ごはん」全国協議会)

http://www.hayanehayaoki.jp/download/houkoku.pdf

 

 

 

 

 

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