メールマガジン「Nutrition News」 Vol.121
健康・栄養に関する学術情報

生体内に受容体をもつ乳タンパク質の生物学的意義
 
乳清(ホエー)中には様々なタンパク質が存在します。その中のラクトフェリン(LF)は分子中に鉄を含み、涙、唾液,胆汁、膵液や白血球(好中球)にも見いだされる塩基性タンパク質です。また、ラクトフェリンの受容体(レセプター)は小腸、免疫担当細胞、肝細胞、骨芽細胞などに見出されており、生体内で何らかの機能を果たすことを示唆しています。多くの研究がなされた結果、現在までに抗菌作用、抗ウィルス作用、抗炎症作用、免疫調節作用、鉄吸収調節作用、骨代謝改善作用、脂質代謝改善作用など様々な機能を持つことが報告されています。それらに基づき最近ではサプリメントなどへも利用されています。
今回は主としてラクトフェリンについてまとめた総説論文を紹介します。

本論文では主としてラクトフェリン受容体の研究を行ってきた筆者が次のようにまとめて紹介しています。
1. はじめに
2. LFと消化管粘膜上皮細胞の結合特性
3. 消化管LFレセプターの化学特性
4. LFレセプターの生体内分布
  1)免疫担当細胞 2)肝細胞 3)骨芽細胞 4)その他の組織・細胞
5. LFの消化酵素耐性
6. LFの腸管吸収経路
7. LFの生物活性
  1)鉄吸収調節作用 2)免疫調節作用 3)腸管細胞の増殖・分科4)骨芽細胞・破骨細胞の増殖・分化 。

 参考

  
 詳細は下記論文をご参照下さい。
 
 川上 浩
 「生体内に受容体をもつ乳タンパク質の生物学的意義」
 ミルクサイエンス 61 (2) 125-140, 2012
 
 本論文はJ-STAGEにてオンライン公開されており無料で閲覧出来ます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/milk/61/2/61_125/_pdf
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