講演1

座長
名古屋大学 名誉教授
愛知学院大学健康科学部 特任教授
人間総合科学大学 人間科学部 特任教授
大澤 俊彦


「フレイルと心の健康」
国立長寿医療研究センター 老化疫学研究部 部長
大塚 礼
 

 

 フレイルとこころは関連するのでしょうか。

 本講演では、国立長寿医療研究センターで実施している「老化に関する長期縦断疫学研究 (National Institute for Longevity Sciences – Longitudinal Study of Aging: NILS-LSA)」のデータを 用いて、地域にお住まいの方の加齢に伴う様々な心身機能の変化を紹介します。

一般に加齢に伴い握力やバランス能力、聴力など様々な機能が低下しますが、知的な能力のひとつ である「知識力」は低下しにくいことなど、高齢になっても保たれやすい機能があることが分かって きています。また加齢に伴い機能が低下しやすい項目でも、皆一様に低下せず、若中年期と比べ高齢期 ほど個人差は大きくなります。高齢になっても機能を高く保っている方に共通する要因はあるので しょうか。

 私たちはこれまで老化コホート研究(NILS-LSA)の中で、フレイルとこころの関係、フレイルの 予防策を様々な観点から調べてきており、これらの成果の一部を、国立長寿医療研究センターのホーム ページ「すこやかな高齢期をめざして ~ワンポイントアドバイス~」にて公開しています。
ホームページのURLhttps://www.ncgg.go.jp/ri/advice/index.html

 本講演では、このワンポイントアドバイスの中から特に、フレイルやこころに関係する興味深い トピックスを複数ご紹介します。高齢になると人間関係や健康、生活環境において心理的な喪失を 感じる機会が増えがちですが、こころの健康を保つことでフレイルの進行を抑制できると考えます。 またフレイルにならないような生活習慣を通して、こころの健康を保つこともできると思います。 こころとからだ、双方にとっての栄養となる食事についても触れる予定です。

 講演では私たちのこれまでの研究成果を中心にフレイル予防やこころの健康を保つポイントに ついてお話しますが、まだまだ分かっていないことも多く、もっとたくさんの秘訣が世の中には存在 するはずです。講演を通して、ご自身の健康増進に何か役立つポイントを見つけていただき、自分流 にアレンジして実行に移していただけたら大変嬉しいです。

 


   

 

  

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