<新年のご挨拶>

 新型コロナウイルスの感染状況に一喜一憂する生活もいつの間にか3年目に入ろうとしています。そんな中でも当財団は「健全な食と栄養による人々の健康向上」を目指して、これまでと同様の活動を昨年も続けることができました。年に一度のダノン健康栄養フォーラムは昨年もオンライン開催でしたが、これまで以上の多くの方々に参加いただき好評でした。また食育活動は、文部科学省の大臣表彰を受けたほか、農林水産省関連のフォーラムや食育のデジタル化事業への協力要請を受けるなど、国から高い評価を受けるまでになりました。これも当財団の活動を支えてくださっている皆様のおかげと心より御礼申し上げます。

 さて、皆様はIUNSという組織をご存知でしょうか。IUNSは国際栄養科学連合(International Union of Nutritional Sciences)のことで、約80ヵ国が加盟している国際機関です。IUNSの日本の窓口は、会員の任命拒否問題で有名になった日本学術会議の中におかれたIUNS分科会です。私は学術会議の会員としてこの分科会の委員長を12年間務めましたが、その時行った活動に「栄養学若手リーダー育成を目指す国際ワークショップ」の開催がありました。これまで2010年、2014年、2017年と3回開催しましたが、日本を含むアジア地域から応募してきた若手による会議は大変興味深いものでした。テーマ別に分かれてグループ討論をする以外に、わが国の最新鋭の食品工場や学校給食の見学も行いました。第3回には超高齢国家である日本の高齢者施設への見学も敢行し、私も将来の自らの備えとして参加しました。訪問した施設の昼食が、入居者の障害の程度によって同一食品を6種類の異なる方法で調理をしていることに大いに感激した記憶があります。このように過去のワークショップは、その当時の社会状況を反映して子供や高齢者の栄養とそれを支える食のシステムが主要なテーマだったわけです。

 昨年12月、我々は第4回のワークショップを開催しました。今回はオンライン開催としましたが、これまでで最多の16ヵ国から応募がありました。テーマとして「持続可能な食料システム」、「持続可能性を考慮した食事」といったSDGs関連のものを多く取り上げたことが人気の一つの理由だったと思います。実際にそのようなテーマの下で参加者が行った議論は熱のこもったものでした。昨年のこの年頭のご挨拶では、ダノン社が「One Planet, One Health」の標語のもとに、「地球環境に負荷をかけないこと」と「我々の健康維持」の両立を目指して活動を開始していることをご紹介しましたが、そのような動きが世界中で加速していることを上記のワークショップでも確認できました。「健全な食と栄養による人々の健康向上」を目指してきたダノン健康栄養財団としても、事業の中に持続可能な食と栄養の概念をもっと盛り込んでいく必要があるのではと感じた次第です。

  新型コロナ感染が拡大した当初、我々は1年くらいで元の生活を取り戻せると期待していました。しかし感染対策を基盤とする生活を2年も続けていると、「元に戻る」ということへの希求も薄れ、現在の生活様式に適応してしまった部分も多いように感じます。適応というのは生物が有する基本的な機能であり生存戦略です。当財団も社会状況への適応という点を常に考慮しつつ、各種事業を可能な限り円滑に実施していけるように準備を進めてまいります。今後とも当財団に対して一層のご指導・ご鞭撻を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。


                                                                                          公益財団法人ダノン健康栄養財団 理事長 清水 誠

 

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