メールマガジン「Nutrition News」 Vol.124
「平成25年 国民健康・栄養調査報告より①」
  平成27年4月1日、厚生労働省は、平成25年に実施した国民健康・栄養調査の結果を公表しました。国民健康・栄養調査は、国民の健康増進の推進を図るための基礎資料として、国民の身体状況、栄養摂取量、生活習慣の状況を明らかにするため、毎年実施されているものです。
  平成25年は、重点項目として、様々な基準の策定に関わる実態を把握するための調査が行われました。調査対象となったのは、無作為に抽出した5,204世帯で、うち3,493世帯より有効な回答が得られました。
  今回は、このうち「食事に関する状況」に着目しました。これらの調査結果から、日本人の食生活の現状と課題を見て取ることができます。

体格の状況(エネルギー収支バランスの指標)

 体格(BMI:Body Mass Index)は、エネルギー収支バランスによって変化します。エネルギー摂取量とエネルギー消費量が等しいときには体重の変化はなく、健康的な体格が保たれます。エネルギー摂取量がエネルギー消費量を上回ると体重は増加し、肥満につながります。また、エネルギー摂取量がエネルギー消費量を下回ると体重は減少し、やせにつながります。
 今回の調査における体格の状況を図1に示しました。BMIが「ふつう」に当てはまる人の割合は、男女ともに6割を超えていました。「肥満」に当てはまる人の割合は女性よりも男性が高く、男性の中でも40歳代が最も高い34.9%でした。一方、「やせ」に当てはまる人の割合は男性よりも女性が高く、特に若い世代で高い割合となっていました(20歳代21.5%、30歳代17.6%)。
 
※「やせ」はBMI18.5kg/㎡未満、「ふつう」はBMI18.5kg/㎡以上25kg/㎡未満、「肥満」はBMI25kg/㎡ 以上


図1 体格の状況(BMIの範囲別人数の割合)
(20歳以上、性・年齢階級別)
男性
vol142 zu 1 man 
女性
vol142 zu 1 woman 

エネルギー摂取量の状況

 
 エネルギー摂取量の平均値は、この10年間で減少傾向にあり、今回の調査では1,887kcalでした(図2)。また、エネルギー摂取量に占める脂質の割合は、年齢が高くなるほど低いという傾向が見られました(図3)。
 
図2 エネルギー摂取量の年次推移
(20歳以上)(平成15年~25年)
 Vol142 zu 2
 
図3 エネルギーの栄養素別構成比の平均値
(20歳以上、男女計、年齢階級別)
vol142 zu 3 
 

食品群別摂取量の状況

 食品群別摂取量の平均値を10年前と比較した結果では、肉類はすべての年代において増加傾向にある一方、魚介類はすべての年代において減少傾向にありました(図4)。平成21年を境に、肉類と魚介類の摂取量は逆転し、肉類の摂取量の方が多い状態が続いています。
 
図4 肉類、魚介類摂取量の平均値の年次変化
(20歳以上、男女計・年齢階級別)
肉類
 vol142 zu 4 meat
 
魚介類
 vol142 zu 4 fish
 
 健康日本21(第2次)では、野菜摂取量の増加を目標に掲げており、その目標値は、1日あたり平均350gとしています。今回の調査で、野菜の摂取量はいずれの年代においても350gを下回る結果でした。ほとんどの年代で、摂取量は10年前よりも減少しています(図5)。
 また、野菜の摂取量を6つの区分に分け、それぞれの人数の割合を見てみると、若い世代ほど野菜の摂取量が低い傾向が見られました(図6)。
 
図5 野菜摂取量の平均値の年次変化
(20歳以上、男女計・年齢階級別)
 vol142 zu 5
 
図6 野菜類の摂取量区分ごとの人数の割合
(20歳以上、男女計・年齢階級別)
 vol142 zu 6
 
本文中の図は、すべて「平成25年国民健康・栄養調査報告」を基に作成しています。
 
参考
平成25年国民健康・栄養調査報告(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/h25-houkoku.html
 
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