講演2

15takano_size座長 
公益財団法人ダノン健康栄養財団
専務理事
髙野 俊明

15shimoura_size2.「健康づくりと地域連携 ─栄養ケア・ステーションの役割─」

公益社団法人日本栄養士会 常任理事、栄養ケア・ステーション 事業部長/
兵庫県立がんセンター総務部栄養指導課 総務部次長兼栄養指導課長
下浦 佳之 先生

 


 これから、我が国はこれまで経験したことのない超高齢化社会を迎えることは周知のことである。人生50年時代の平均寿命が短かった頃は、いかに長く生きるかということが重要であった。しかし、現在では人生80年時代として平均寿命が長くなり、いかに元気に活動的に暮らせるかといった「健康寿命」をいかに延ばすかが大きな課題として取り上げられている。地域社会・家族関係・疾病構造が大きく変容していく中で、高齢者や在宅療養者等が住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、医療、介護、予防、生活支援サービス等が切れ目なく提供され、高齢者や在宅療養者等を支えられるシステムの構築が重要である。

 「食べることは、生きること」人は食べなければ生きていけない。医療機関や施設等では患者や入所者にあった食事が提供される。例えば、一般の病院では糖尿病患者が入院すると食事療法が行われ、管理栄養士による栄養食事指導・相談が実施される。しかし、退院し地域に戻り、しばらくすると食事療法がおろそかになり、以前の食生活に戻り病状が悪化するケースも少なくない。在宅においては自ら、又は家族の方々が病状や嚥下能力等に応じて作らなければならない。特に在宅療養を続けておられる方が食べられなくなったとき、栄養をどうするのか、といったことなど、様々な課題が生じてくる。

 栄養・食事のことで相談したいことがあっても、フォロー可能な栄養士・管理栄養士が地域に少ないため、諦めてしまうこともある。実際に栄養士・管理栄養士が地域で活動する機会は少なく、地域(在宅)における「栄養と食」の支援に関して十分に寄与できていないのが現状であった。特に糖尿病等の慢性疾患患者の治療は長期のケアが必要であり、在宅医療が進められる中、地域で社会的、心理的な観点に配慮した療養者の生活のQOLの向上につなげる栄養ケアが必要となる。

 栄養士・管理栄養士として高齢者・在宅療養者が増大していく中で、栄養と食に関して、早急に何をなすべきかを考えなくてはならない。すべてのライフステージにおいて、健康づくり、疾病の予防、治療(cure)から介護(care)までを栄養の指導を通して関わり、地域の在宅における栄養と食に関するニーズの実態を把握し、プロフェッショナルとしてニーズに応じた栄養ケアを繋げ、支えていくのが栄養士・管理栄養士の責務であるといえる。

 地域等での栄養ケアを支えていく上で、栄養士・管理栄養士の人材育成・確保と活動拠点の整備が重要なのである。

 そこで、(公社)日本栄養士会では厚生労働省の委託を受けて、平成20年度から「保健指導・食育活動拠点整備・支援事業」により、各都道府県に栄養ケア・ステーションを設置した。また、平成23年度「疾病の重症化予防のための食事指導活動拠点整備事業」、平成24年度「えがおプロジェクト事業」を展開した。これらの取り組みにより、実施拠点となる基盤の整備と多職種のメディカルスタッフの連携・協働によって、継続的な患者サポート体制の構築・拡充を目指す。

 (公社)日本栄養士会では栄養ケア・ステーションを地域における栄養ケアの活動拠点と位置づけ、他職種や他組織、関係団体と連携・協働し、地域において、顔の見える管理栄養士・栄養士を目指し、栄養ケア・ステーション事業を推進している。今回のフォーラムでは、地域に密着し、栄養ケア支援が可能な人材の確保と拠点整備への取り組みへの進捗状況を紹介し、地域連携における栄養ケア・ステーションの役割をお話させていただく。

 

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