メールマガジン「Nutrition News」 Vol.133
健康・栄養に関する学術情報
家族との共食行動と健康・栄養状態ならびに食物・栄養素摂取との関連 ―海外文献データベースを用いた文献レビュー―
食文化研究の第一人者である国立民族学博物館の元館長・石毛直道先生は「人間は料理する動物である。人間は共食(きょうしょく)する動物である。」と、一緒に食事をすることを人間の行動の特徴として挙げています。2011年に発表された第2次食育推進基本計画では,今後の我が国における食育の重点課題の1つとして「家庭における共食を通じた子どもへの食育の推進」があげられ,「朝食又は夕食を家族と一緒に食べる『共食』の回数の増加」が11項目の目標の1つとなりました。第13回ダノン健康・栄養フォーラムでもテーマとしてとりあげてきました。
https://www.danone-institute.or.jp/mailmagazine/backyear/2011/207-76-2.html
共食は「心の栄養」になるだけでなく、食事摂取内容や健康・栄養状態を良好にすることが期待されていますが、国内の研究は少ないのが現状です。今回は共食行動と健康・栄養状態ならびに食物・栄養摂取の関連についての論文をデータベースで検索し、世界の研究結果について調査報告した論文を紹介します。
 
(内容)
MEDLINE(PubMed)及びEricを用い、2001~2011年に発行されたものを対象に、共食に関する論文をデータベース検索した。また、共食行動に関する系統的レビュー論文3件の引用文献からも論文を抽出した。それらより、表題,抄録,本文を精査し、採択基準を満たす50件を採択した。
共食行動に関する調査項目43項目中30項目は,単一項目の“家族との共食頻度”であり、“家族全員またはほとんどの人”と一緒の“1週間”あたりの頻度を尋ねるものが多かった。家族との共食頻度と子どもの健康・栄養状態との関連を検討した横断研究は24件、縦断研究は5件、食物・栄養素摂取との関連を検討した横断研究は10件、縦断研究は3件であった。共食頻度が高い子どもは、うつ症状得点が低い、野菜・果物摂取量が多い、食事の質スコアが高い等の報告が見られた。体格とは関連あり、関連なしの両方の報告があった。成人を対象とした研究は4件で、全て横断研究であった。
結論として、家族との共食頻度が高い学童・思春期の子どもは,野菜・果物摂取量が多い等食物摂取状況が良好であることが示唆された。

 参考

  
詳細は下記論文をご参照下さい。
 
衛藤 久美、會退 友美
「家族との共食行動と健康・栄養状態ならびに食物・栄養素摂取との関連 ―海外文献データベースを用いた文献レビュー―」
日本健康教育学会誌,2015; 23 (2):71-86
 
本論文はJ-STAGEにてオンライン公開されており無料で閲覧出来ます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kenkokyoiku/23/2/23_71/_article/-char/ja/
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