メールマガジン「Nutrition News」 Vol.79
トピックス「平成22年国民健康・栄養調査結果の概要より(1)」
平成22年国民健康・栄養調査結果の概要より(1)

平成24年1月31日、厚生労働省から平成22年国民健康・栄養調査結果の概要が公表されました。 国民健康・栄養調査は健康増進法に基づき、国民の身体状況や栄養素摂取量、生活習慣の状況などについて明らかにし、健康増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得る目的で毎年行われている調査です。平成22年は3,684世帯について、身体状況や栄養摂取状況、生活習慣のほか、重点項目として「循環器疾患」に関する状況について、調査が実施されました 。

肥満・やせの状況

20歳以上の肥満者(BMI≧25)の割合は、男性30.4%、女性21.1%と、男女とも前年(男性30.5%、女性20.8%)と比べて変わらないという結果でした。また、20歳以上のやせの者(BMI<18.5)の割合も、男性4.6%、女性11.0%と、男女とも前年(男性4.4%、女性11.0%)と比べて変わらないという結果でした。

しかし、図1に示すように、20~60歳代男性の肥満者の割合は増加傾向にある一方で、40~60歳代女性の肥満者の割合は減少傾向、20歳代女性のやせの者の割合は近年急増の傾向にあることが分かります。

図1 肥満及びやせの者の割合の年次推移(20歳以上)

mmvol79-fig120歳女性やせの者の割合は、移動平均(※)により平滑化した結果から作成。
※移動平均:グラフ上の結果のばらつきを少なくするため、各年次結果の前後の年次結果を足し合わせ、計3年分を平均化したもの。ただし、平成22年については単年の結果である。

朝食の欠食率

1歳以上の朝食の欠食率は、男性13.7%、女性10.3%と、男女とも前年(男性14.1%、女性10.1%)に比べて変わらないという結果でした。欠食率が最も高い年代も前年同様、男女とも20歳代(男性29.7%、女性28.6%)ですが、20歳代男性では前年の33.0%から3.3ポイント減少しているのに対し、20歳代女性では前年の23.2%より5.4ポイント上昇しています。また、15-19歳の女性においても、前年の10.2%から3.8ポイント上昇し14.0%となっています(図2-1、2-2)。

図2-1 朝食の欠食率(1歳以上・男性)

mmvol79-fig2-1

図2-2 朝食の欠食率(1歳以上・女性)

mmvol79-fig2-2

野菜摂取量

20歳以上の野菜摂取量は、平均281.7g(うち緑黄色野菜93.3g、その他の野菜188.4g)で、前年の平均295.3g(うち緑黄色野菜99.1g、その他の野菜196.2g)に比べて減少しています(図3)。

図3 野菜摂取量の平均値の年次推移(20歳以上)

mmvol79-fig3

野菜摂取量の平均値を年代別に比較すると、60-69歳で最も摂取量が多く318.8g/日(うち緑黄色野菜108.2g/日、その他の野菜210.6g/日)でした。次いで70歳以上の302.4g/日(うち緑黄色野菜108.2g/日、その他の野菜194.2g/日)、50-59歳の286.1g/日(うち緑黄色野菜93.0g/日、その他の野菜193.1g/日)となっており、若年層において、野菜摂取が少ない傾向にあることが分かります(図4)。

図4 野菜摂取量の平均値(20歳以上)

mmvol79-fig4

食塩摂取量

20歳以上の食塩摂取量の平均は、男性11.4g/日、女性9.8g/日でした(図5)。日本人の食事摂取基準(2010年版)において、食塩摂取の目標量は成人男性で9.0g/日未満、成人女性で7.5g/日未満とされていますが、今回の調査では、食塩摂取量がこの目標量を満たしていた割合は、男性で31.6%、女性で29.8%でした。

図5 食塩摂取量の平均値の年次推移(20歳以上)

mmvol79-fig5

脂肪エネルギー比率

日本人の食事摂取基準(2010年版)では、脂肪エネルギー比率について、18-29歳は20%以上30%未満、30歳以上では20%以上25%未満としています。今回の調査では、20歳以上で脂肪エネルギー比率が30%以上であった者の割合は、男性20.7%、女性28.5%でした。年代別に見ると、脂肪エネルギー比率が30%を超える割合は男女とも20-29歳で最も多く、男性39.7%、女性44.8%となっています(図6-1、6-2)。

図6-1 脂肪エネルギー比率の状況(20歳以上・男性)

mmvol79-fig6-1

図6-2 脂肪エネルギー比率の状況(20歳以上・女性)

mmvol79-fig6-2

食育の重要性

これらの調査結果から、「朝食の欠食」「野菜摂取量の減少」「高い脂肪エネルギー比率」など乱れた食習慣が若い世代を中心にしてあるという傾向が見えてきます。男性の肥満や若い女性のやせなどの問題が広がる中、国民1人1人が、朝食の欠食をなくし規則正しく食べることや栄養バランスを考えて食べることの重要性などについて認識を深めることが求められており、食育への取り組みをより一層推進していく必要があると言えるでしょう。

注)図は全て平成22年国民健康・栄養調査結果の概要(厚生労働省)をもとに作成

参考

・平成22年国民健康・栄養調査結果の概要(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000020qbb.html

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